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ねとらぼでも取り上げられた調教技術「ぼかりす」。
以前の記事でもちょっとだけ正体を妄想してみましたが、その詳細が
webに公開されました。
正式名称は"VocaListener"だそうです。

VocaListener: ユーザ歌唱を真似る歌声合成パラメータを自動推定するシステム
http://staff.aist.go.jp/m.goto/VocaListener/index-j.html

論文と発表資料がリンク先に掲載されていますね。
ざっと読んでみました。


※ 自分は研究者でも学会発表を聞いたわけでもありません。
※ 以下は知識のない一般人が論文を適当に読んだ感想みたいなものですので
※ 内容に誤りがあることを前提としておいてください。
※ 間違っても、このページの情報をもとに↑リンク先の研究者に
※ 
質問や苦情など送らないように!


合成歌唱を得るための処理の流れを見てみると

(1) 合成する元となる歌唱データ(目標歌唱)と歌詞を入力として用意する。
(2) 歌詞を形態素解析でかな文字に分解。HMMぽい図が載ってます。
(3) 目標歌唱に、かな文字化した歌詞を仮割り当てする。
(4) 目標歌唱から音高・音調・付帯情報(ビブラートなど)を取り出す

ここまで前準備。
これらの要素技術をVocaListener-front-endと呼んでいるぽい。

で、ここからが本番。
VocaListener-coreと呼ばれる手法を適用する。

(5) 仮割り当てした歌詞を、目標歌唱をもとに微調整(始端と終端を結合するなど)。
 このフェーズは、ある程度は自動で行うが、最終的にはユーザによる調整となる。
(6) 歌詞のノートナンバー決定。実際の音階に割り当てる。
 音量やピッチベンドなどのパラメータも決定する。
(7) (5)(6)のパラメータをもとに実際に合成歌唱を作成し、目標歌唱との誤差を計算。
(8) 何度か(5)-(7)を繰り返して、誤差が最小となるものを最終的な合成歌唱とする。

VocaListener-coreのアルゴリズムを簡単に言えば、得点付きカラオケで何度も
歌ってみて最高点のものを出力するシステムと考えればいいかと思います。
(評価アルゴリズム自体は得点付きカラオケと同じものではないです、一応。)

あとは補助的なしくみとして、目標歌唱をいじるツールである
VocaListener-plusについても記述してあって、こちらも面白いんだけど
合成歌唱システムとは直接関係しない(たぶん)ので今回は省略します。


フィードバックにより合成歌唱を目標歌唱に近づけていくという着眼は
面白い発想だと思います。
問題点としては、
・歌詞データの
始端/終端マッチングをユーザーが手伝わなければならない。
(ある程度は自動で行けるらしい)
・音量のマッチングが困難である。
・声質が近くないとフィードバックが正常に働かない可能性がある。
という点でしょうか。

論文のデータでも示されているとおり、発声データから音量を取り出すことは
実はかなり困難な作業です。
フィードバックの反復によりほぼ飽和した相対エラー量が、音高では1.7~2.4%
なのに対して音量では13.8~17.5%と、かなり多めのエラーが残っており、
このあたりは前回の記事の
(2)音量の変化が乏しい
という感想とほぼ合致します。
これは、音高はノートナンバーとピッチベンドを組み合わせることで
目標歌唱に高精度にマッチングさせることができるけれど、音量については
あまり調整の粒度が細かくないのも一因かもしれません。

そもそも歌声
は正弦波ではないので、波形から計算したパワーが同じでも
声質により通りやすい音/通りにくい音が存在する点が面倒くさいところ。
ここは、元データを一定のスペクトル毎に分割して、各バンドごとに重みづけした
パワー値の合計を取ると改善するかもしれません。
「通りやすい音」の解析としてはかなり大雑把ですが。
音響心理学の分野からのアプローチが有効かもしれませんね。
(興味があれば「等ラウドネス曲線」などで検索すると面白いかも)

また声質についても、論文中で
なお、本システムで合成した歌唱を目標歌唱として与え、
パラメータの再推定を試みた結果、元のパラメータと
ほぼ同じとなることも確認した。
とあることから、目標歌唱の声質が合成歌唱の声質と同一であれば
ほぼ完璧にパラメータを復元できるようです。
逆もまた真なり、とひねくれて考えると、声質が極端に違っていれば
フィードバックによる「カイゼン」アルゴリズムが破たんする可能性も
あるのかもしれません。
中島みゆきとか入力するとどうなるんでしょうか。興味深くはあります。


いずれにせよ、ユーザの負荷をほとんどかけずに、ある程度の「人間らしい」
合成歌唱を得られるのは面白い技術だと思います。
今後も、ブレス音の再現や声質の動的変動を織り込むなど、より
人間らしい歌唱が実現できるよう研究していくということです。


最終的には「人間らしい歌唱」というものを客観的に数値評価する
モノサシをきちんと確立する必要が出てくるのかもしれません。
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以前の記事「押し売りにご用心」でこんなこと↓を書いたのだけれど

Appleのブラウザで怪しいページを巡回できるほど勇敢
ではないので、
最速ブラウザのセールスマン様には
そのままお帰りいただきました。サヨウナラ。

やはり危惧は現実のものだったようです。

Safariの「じゅうたん爆撃」問題、StopBadware.orgも対処を要求 (ITmedia, 2008/5/21)
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0805/21/news032.html

Safariではユーザーの同意を求めることなくリソースが
ダウンロードされ、デフォルトの場所(Windowsではデスクトップ、
OSXではDownloadsディレクトリ)に保存される設定になっている。
ユーザーの許可を求めるよう、設定を変更することもできないという。
これはまた大胆な仕様(?)です・・・





これに対しAppleは「機能強化のリクエストとして
Safariチームに伝える」としながらも、「当社はこれを
セキュリティ問題としては扱わない」と述べ、
対処するとしてもかなりの時間がかかるかもしれない
と返答してきたという。
ユーザーの信頼というものは、得るには長い時間がかかるけれど
失うのは一瞬なんですけどね・・・。
Mac帝国にユーザーを囲い込んで安心しているうちは、そのやり方で
良かったんだろうけれど。

いくらトップが有能でデザインチームが独創的でも、企業の体質として
殿様商売が染み付いてしまっているのはどうかと思います。
船場吉兆のニュースをSafari開発チームにも見せてあげたいものです。
「ダビング10を人質になどしていない」「メーカーは“ちゃぶ台返し”だ」 権利者団体が会見
(ITmedia, 2008/5/29)
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0805/29/news114.html

まさに泥沼。というより子供のケンカ。
ざっと発言を抜き出してみると

■ゴーサインが出ないのはメーカーが一貫性のない行動を取るためで、
 権利者のせいではない
コピーワンス問題の発端は、メーカーの落ち度にあった
「権利者にとってダビング10問題は、コピーワンスという筋の悪いルールを作った
 メーカーの不始末の尻ぬぐい
ここにきてまた、メーカーは放埒(ほうらつ)な主張
  繰り返し、ダビング10実現を危うくしている
とあるメーカーが、極めて原理主義的に拒否反応を示し、これまでの
 議論も学習せず、さまざまな策を弄(ろう)して多数派工作を行った
メーカー側がやっていることは“ちゃぶ台返し”
文化庁案を十分に理解しないまま、とんちんかんな対応がうまれている

ああもう、なんという典型的な。

悪者を見つけて「僕たちは悪くないんだ。がんばったんだ。」なんて納得するのが
私的録音録画小委員会というものの
目的だったんでしょうか。
1億2000万人すべての、マルチメディアコンテンツを扱う権利について
決定を下す立場にいる人間がこういうレベルの口げんかをしている。
これが日本という国の現実です。認めたくないけれど。



ちゃぶ台もいい迷惑です。 (Image: ちゃぶ台総合情報サイト)


正直なところ、テレビ見ないからダビング10がどうなろうと興味はないし、
メーカーにも権利者団体にも放送局にも肩入れする気はありません。
銭勘定がからむ以上、不毛な議論が繰り返されるのもしょうがないと思っています。
思っているけれど。

これは議論ですらない。
世界中にこんな記事が発信されるかと思うと、いたたまれない気分になります。

イージス艦衝突事故のときも、福島県立大野病院の産科医逮捕のときも、
グローバルではサブプライムも原油価格上昇も水産資源保護も地球温暖化も。
総じて、何か問題が起きるとすぐに「悪者探し」が始まってしまう。
自分は悪者ではないと安心したいのでしょうか。
自分とは無関係のことだからと思考停止したいのでしょうか。
悪者探しをすることで問題解決のために頑張っているとアピールしたいのでしょうか。

悪者を作って終わりにすれば、安心して毎日を過ごせるから楽ではあります。
何も解決していないから、結局また同じことを繰り返すのだけど。



・・・深夜に書いてるとグチばっかりになるので、このへんで自重しておきます。
省電力タイプの新プロセッサをVIAが発表したようです。
C7以来ひさしぶりのリリース。

VIA、Atom対抗の新型CPU「Nano」を発表 (PC Online, 2008/5/29)
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/news/20080529/1003840/

VIA Nano(TM) Processor
http://www.via.com.tw/en/products/processors/nano/




【Lシリーズ

L2100 1.8GHz FSB800MHz TDP25W
L2200 1.6GHz FSB800MHz TDP17W

【Uシリーズ

U2400 1.3GHz~ FSB800MHz TDP8W
U2500 1.2GHz FSB800MHz TDP6.8W
U2300 1GHz FSB800MHz TDP5W


NanoはC7の後継として"Isaiah"のコードネームで開発されていたCPUです。
CPUクロックはC7とあまり変わりませんが、投機的アウトオブオーダー付きの
スーパースカラが新たに実装されるとのこと。
ライバルのIntel Atomはインオーダー実行で、代わりに上位モデルのみですが
HyperThreadingが搭載されています。
Nanoが対Atomでどこまで頑張れるか楽しみなところ。

そもそもC7(というかC3からの一連のVIA CPU)は、回路が複雑になる
スーパースカラやアウトオブオーダーなどの高速化手法をあえて採用せず、
キャッシュ方式や分岐予測などのアルゴリズムをチューンすることで
トランジスタ数を抑えつつ対コストのパフォーマンスを向上させるという
設計哲学でした。それがついに方針転換。
Nanoのトランジスタ数(約4,500万個) Atom(約4,700万個)とほぼ同等。
また、プロセスルールはNanoが65nm、Atomが45nm
設備投資や歩留まりを考えるとどちらがコスト的に有利かは一概には
言えませんが、Intelの45nm製造プロセスはかなり実績が積まれている点、
および大量生産されるチップのため設備投資を償却しやすい点を考えると
Nanoのコスト面での優位性はアピールしにくくなるものと思われます。

価格競争だけでなく、どれだけ性能や低消費電力を向上させて
先行するIntelやAMDに対抗していけるか。
面白いレースになってきました。


面白いといえば、PC Onlineの記事もけっこう面白い。

1次キャッシュは命令とデータがそれぞれ64KB。
1次キャッシュと排他利用の2次キャッシュを1MB備える。

排他利用って、それはExclusive Cacheのことのような・・・
同じデータが1次と2次の両方にキャッシュされないようにする仕組みのことで
キャッシュ自体が排他利用なんてことはないのでは。

また、新しいアルゴリズムの採用で浮動小数点演算を高速化。
Blu-ray Discコンテンツなどのハイビジョン映像を滑らかに再生
できるようになったという。C7では浮動小数点演算性能の低さが
弱点の1つだった。

H.264は整数演算でenc/decできたんじゃなかったっけ・・・
MPEG2なら以前からチップセットに再生支援機能が付いてたし。

謎に思ってVIAのソース記事を読んでみると
「最大40Mbpsまでの暗号化されたメディアストリームを滑らかに再生できます」
と確かに書いてある。うーん。
floatの加算・乗算がx86系の中で最も低いレイテンシで動くらしいです。が。
さすがにnanoを載せるようなPCでblu-rayを再生する場合は、周辺チップ
(チップセットとかグラフィックチップとか)で再生支援するような気がします。
blu-ray再生機などの組み込み分野では、CPUだけでデコードするような
使い方もあるのかな。
再生以外の処理が何もできなくなるような気はしますが・・・

いずれにせよ、ハイスペックPC市場が衰退しつつある今、モバイルやULCPCなどの
ライトウェイトな分野をAtomと共に盛り上げていってほしいものです。

そういえばAMDはどうなったんだろう・・・Geodeがんばれ。




5/31追記

CNETやITmediaでも記事が出ていますね。

Via、低消費電力プロセッサ「Nano」プロセッサを発表--インテル製「Atom」に対抗
(CNET, 2008/5/30)
http://japan.cnet.com/news/ent/story/0,2000056022,20374334,00.htm

VIA、Isaiah改め「Nano」を発表 (ITmedia, 2008/5/31)
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0805/31/news008.html

CNETの記事では
Nanoを設計したViaの子会社Centaur Technologyの社長
Glenn Henry氏によると「既存のC7とプラグ互換性があり」、
C7チップと同じプロセッサソケットに装着できるという。
ピン配置が変わると基板の回路設計からやりなおしになるから
どうしても新製品のリリースに時間がかかってしまう。
従来の基板を使いまわせる点は大きなメリットとなりそうです。
キチキチに詰め込んだスリムノートとかだと、電源容量やノイズ対策、
熱設計などで結局は回路の再設計になるかもだけど。

VIAは、周辺チップ開発のオープンソース化や、筐体デザインデータを公開して
開発メーカーのコスト削減を計るなどの様々な試みを進めています。

VIA、超小型ノートPCのリファレンスデザインを公開 (CNET, 2008/5/30)
http://japan.cnet.com/news/ent/story/0,2000056022,20374290,00.htm

単なる「CPUメーカー」ではなく「小型PCのプラットフォーム」を提供する企業へ。
専門技術だけでなく、総合的なソリューション(便利な言葉です)を提案できなければ
激しい競争が繰り広げられる分野では生き残っていけないのかもしれません。
iPodのイヤホンが耳に合わないので、新しいものを買ってみました。
SONYのMDR-EX85LP、
新宿ビックカメラで約5,000円なり。

国内向けの延長コード付きモデル
MDR-EX85SLの海外向けバージョンらしく、
ショートコード+延長コード(SL)か、1.5mのロングコード(LP)か、
という違いらしい。
iPod用としては少しコードが長すぎて取り回ししづらいのが物理的欠点。
胸ポケットにiPod入れて聞くようなシーンでは、コードクリップがあると
便利かも。

見かけはオープン型とカナル型を組み合わせたような奇妙なデザインで
もしやイロモノ系かなーと期待(?)したのですが、残念ながら
かなり素直に鳴ってくれました。



黒いiPod touchに赤いイヤホンが映えます。


バスドラムの低音がきちんと鳴って、しかもよく締まっている。
ヴォーカルもクセがなくて、鬼束ちひろやGARNET CROWなんかを聞いてると
すごく幸せになれます。
ちょっと高音が控え目なようですが、天井が低いとかいうのではなくて
おとなしいけれど、可聴域の上のほうまで鳴るべき音は鳴っている感じ。
全体のバランスはとてもいい感じにまとまっていて、それでいて個々の音は
クリアに聞こえます。
派手な外見とは裏腹に、大人の音を鳴らすイヤホンなのでした。

このイヤホン、耳道をカナルで塞いでしまうのにオープン部分の意味は
あるのかな?と思っていたけれど、カナル部分で中~高音域を鳴らして
足りない低音域をオープン部分で補っているんですね。
低音は骨振動(軟骨?)で伝わるため耳道が塞がっていても問題なし。
心地よい低音にはきちんと理由があるようです。
無理してカナル部分で低音を鳴らさないため、鼓膜に与えるダメージが少なく
長時間聞いていても疲れにくいのもいいですね。
(そのぶん音漏れはするらしいけど)



拡大写真。ランニングしても耳から落ちたりしないのも◎。


ただ、それなりのイヤホンを買ってしまうとMP3やAACの圧縮のアラが
気になってしまうのが悲しいところ。
高音域、特にハイハットなどの金属音がきれいに鳴って、
しかも音の定位が揺れない、そんなフォーマットがあればなあ。


音の定位といえば、やはり悪の元凶は和差ステレオ。
副信号の音量にゆらぎが発生した場合、ステレオの音場が揺れるような
効果が発生してしまいます。
そもそも音声圧縮は人間に聞こえにくい周波数域の情報を削る技術だから
音声信号全体の音量の変化はあまり気を配ってないんですね。
さらに、和差ステレオでは副信号のビットレートは主信号より低く設定
されるため、どうしても副信号の品質は低下してしまう。
そもそも副信号(L-R)という、通常の音声とは異なる特性を持つ信号に
既存の音響心理学をベースにした音声圧縮技術をそのまま適用するのは
かなり乱暴なやり方なのです。
これでジョイントステレオなんて使った日には、ステレオと和差ステレオが
混ざりまくって悲惨なことに。

原理的に、音声圧縮と和差ステレオ(ジョイントステレオ)の相性は
あまり良くないのですが、iTune含む最近のエンコードソフトは
強制的にジョイントステレオに固定で圧縮してしまうようです。
(補足:MP3は選択できるけど、AACはジョイントステレオ固定っぽい)
フラッシュメモリの容量単価がガンガン下がっている今、ビットレートを
256kbpsくらい贅沢に使って、通常のステレオ方式でエンコードしてくれる
ほうがQOL(Quality of Listening)は向上すると思うのだけど・・・

暇を見て全ライブラリを再エンコしたくなる衝動に駆られる今日このごろ。
いや、むしろAppleロスレスのほうがいいのかな。




6/17追記

maxellから、どこかで見たようなカナル型が出ています。

直径13mmの大口径ドライバユニットを搭載した
高音質カナルタイプヘッドホン「HP-CN40」を新発売
(日立マクセル, 2008/6/16)
http://www.maxell.co.jp/jpn/news/2008/news080616.html





すんごいデジャブ感あふれるデザインです。
値段は4000円程度とのことですが、音質がどうなのか
気になるところ。
店頭で見かけたら衝動買いしてしまうかもしれません。
暖かい、というよりむしろ暑い日が続いてパワー不足ぎみなので
夕食は職場近くの某カレー店に。

なすチーズカレーの甘口に、半熟たまごのトッピングと野菜サラダ。
カロリーもタンパク質も炭水化物もビタミンもばっちり!
と思って出てくるのを待っていたら、なにやら調理場のほうで話し声が。


「甘口ってどれだっけ」
「あぁ、そっちだね」
「よくお子ちゃまが注文するよね」


・・・・・


・・・あの、聞こえてるんですが・・・
いくら若く見られるってもそりゃないべ・・・


だいたい
辛ければ辛いほど大人っぽいとか誰が決めたんだっっ!!!

O型だから大雑把とか、日本人だから首からカメラを下げてるとか、
組み込み技術者だから徹夜は慣れてるとか(一部正解)、
そんな権威主義やら家長主義やら大艦巨砲主義やらに毒された
旧石器時代のステロタイプと徹底抗戦するためにも、次も絶対に
甘口カレーを注文してやると固く心に誓ったのでした。
山手線をCMで埋め尽くすなど、派手な広告で注目を集めるWindows Mobile端末

【解説】動き出したマイクロソフトの携帯電話戦略 (ITpro, 2005/10/18)
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20051018/223024/

2007年のWindowsケータイを振り返る「Windows Mobile Bloggers Night」開催
(毎日コミュニケーションズ, 2007/12/25)

http://journal.mycom.co.jp/articles/2007/12/25/winmobile/

Microsoftやキャリア・メーカー各社の販売意欲は高いようです。が。
実際のところの売れ行きはどうなんでしょう?
身の回りをリサーチしても使っている人はいないし、
電気店の売場をしばらくウォッチングしても、つついて遊んで行く人はいても
買っていく人はほとんどいなさげ。
webでレビューを探してみましたが、W-ZERO関連の記事がいくつかあるけれど
それ以外の端末はあまり見かけません。



写真はSHARPのW-ZERO3 [es]。ハードとしては面白い端末です。


実用面でいえば、ビジネスでこういった端末を使うのは少し難があります。
かといってエンターテイメント・ツールとして使えるかと言えば微妙なところ。
ビジネス向けとしてもエンタメ向けとしても中途半端な印象は拭えません。

実際、ビジネスシーンで外出中にOfficeやPDF使うなら、B5ノートのほうが
断然使いやすい。
メールも、ちっこいキーボードでストレス貯めるくらいなら、Let's note
ガシガシ書いたほうが精神衛生上良いです。
webブラウジングについてもAjaxやAIR、Silverlightなどの技術が広まっており、

・ある程度の広さを持つ画面
・大量の情報を入力するための、使いやすい入力デバイス
・通信や動画再生などで
大量に使われる電力を、長時間供給できるバッテリー
・多様なアプリケーション

これらの要件がより求められてきます。
スマートフォンでこれらを実現しようとすると、結局HP2133みたいな
小型ノートになってしまう。

あとひとつ、致命的なのが電話として使いにくい点。
Office使ってて電池切れしたら電話を受けられなくなるなんて!
結局、ケータイとスマートフォン両方を持ち歩くという、スマートでもフォンでもない
使い方になってしまいます。

むろんシチュエーションによっては有効に使える場合もあります。
短いメールを頻繁にやりとりするような使い方では、スマートフォンのメリットを
充分に引き出せるでしょう。
しかし、日本国内では愛好者向けの市場の域を出ることはないのでは。

最大の敗因は "売り方を間違えた" というのが正直な感想。
今の営業マンのほとんどは、既にサブノートをカバンに入れて飛び回っています。
その環境から移行するメリットを十分に打ち出せない限り、日本の市場に
スマートフォンは根付かないと思います。
むしろiPhoneが日本国内で発売されないうちに、Zuneの上位機種として
高価なエンタメツール的な立場を築いたほうが良かったのかもしれません。
情報化が進み、一般市民が積極的に情報を発信するようになって
これまで寡占状態だった「報道」の世界にも自由化が押し寄せています。
と同時に、報道の質についても、疑問を持たざるをえないような事件が
多数起きる
(あるいは表面化する)ようになりました。

たとえば、信頼できる情報源として一応の地位を築いている新聞の分野でも。
全国紙に限ってみても、疑義報道・スキャンダルをwikipediaで引くと

■読売新聞
■朝日新聞
■毎日新聞
■日本経済新聞
■産経新聞

山のように出てきます。
吉兆も赤福も雪印も不二家もミートホープも、経営が傾く(あるいは倒産する)ほどの
社会的制裁を受けましたが、これらの報道メディアはどうでしょう。
日々生活の中で触れる物という点では食品も報道も同じ、にも関わらず。
情報の発信を握るという権益は、政治家のソレより大きいのかもしれません。


意図的ではないにしろ、報道の内容が偏ってしまうことも多々あります。
たとえば、旬なネタではこんなデータが。
朝日新聞と読売新聞が発表した、5/17~18の内閣支持率の世論調査です。


内閣支持19%、不支持65% 本社世論調査 (asahi.com, 2008/5/19)
http://www.asahi.com/special/08003/TKY200805190225.html

朝日新聞社が17、18の両日実施した全国世論調査(電話)によると、
福田内閣の支持率は19%で、前回調査(4月30日、5月1日)の
20%に
続いて低い水準だった。
不支持率は65%(前回59%)と内閣発足以来最高となった。


内閣支持率26・1%、発足以来最低を更新…読売世論調査 (YOMIURI ONLINE, 2008/5/20)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20080519-OYT1T00650.htm

読売新聞社が17、18日に実施した全国世論調査(面接方式)によると、
福田内閣の支持率は26・1%(前月比3・9ポイント減)に下落し、
発足以来、
最低を更新した。
不支持率は64・7%(同6・3ポイント増)だった。


支持率がすんごい低いのは置いておくとして。
同じ日の世論調査でも、支持率19%26.1%で全然違うデータが出ています。
調査の母数が少ないから誤差が出たんだろう、という意見もあるかもですが
過去の支持率調査結果のグラフを見るとかなり滑らかなんですね。

http://www.asahi.com/special/08003/chart/080429.html
http://www.yomiuri.co.jp/zoom/20080519-OYT9I00831.htm

7.1%もの誤差が入るようには思えない。


まず調査対象の問題。
電話や面接は本当に無作為抽出なのか。
調査する場所を恣意的に選んでいないか。あるいは時間はどうか。
平日昼間に調査すれば、働いている人のたいていは調査対象外となる。
電話調査の対象が固定電話だけだとすると、ケータイしか電話回線を持たない
若年層の意見はほとんど反映されない。
また、「無効票」の扱いも疑問が残ります。
都合の悪いデータを勝手に無効にしてしまっていないか。


次に調査方法の問題。
たとえばアンケート用紙が

■福田内閣を支持しますか
    はい( )
    いいえ( )
■福田首相の年金記録問題の公約違反についてどう思いますか
    発言の責任を取るべき( )
    細かいことにこだわるべきではない( )
■道路特定財源問題が迷走していることについてどう思いますか
    政治力のない首相に任せてはおけない( )
    長い目で取り組むべき問題である( )

■福田内閣を支持しますか
    はい( )
    いいえ( )
■福田首相が唱えるクールアース推進構想についてどう思いますか
    ポスト京都議定書の枠組みを構築する上で重要である( )
    環境より経済発展を重視すべき( )
■福田首相が理念としている男女共同参画社会についてどう思いますか
    少子高齢化の進む日本社会には必須である( )
    ジェンダーに合った社会参画をすべき( )

の2種類だった場合、当然調査結果は変わってきます。
人間の心理は、調査員の表情やニュアンスによってすら影響を受けるもの。

意図してデータを操作したのか、あるいは意図せず偏りを生じさせたのか、
はたまたただの偶然でデータが偏ったのか。
いずれにせよ、数値データなんてものはこれくらい不確かなものとして
認識しておいたほうが良いようです。

しかし困ったことに、数値データを見せられると人は信用してしまいやすい。
「えび養殖に投資すればすごく儲かるよ!」
→「えび養殖に投資すれば300万円18ケ月800万円になるよ!」
詐欺師やアナリストがよく使うテクニックです。
これを悪用すれば、たとえば
4/30~5/1の朝日新聞の調査結果(支持率20%)
・5/17~18の読売新聞の調査結果(支持率26.1%)
を比較して
「半月で内閣支持率が6.1%も急上昇、パンダ効果か」
なんて釣り記事も書けてしまうわけです。


※写真と記事は関係ありません。ついでに、パンダは悪くありません。


すぐに数字を挙げてくる相手は信用するな、という言葉があります。
相手の信頼を得るためのテクニック自体に罪はありませんが、
嘘を信頼してしまうと、ひどい目を見てしまう。
まずは防衛策として、相手が何を信頼させたがっているか、その背景を想像して
個々人で危機管理をすることが重要なのかもですね。


かつて、水と空気は無料だと考えられてきました。
しかし環境の汚染と、より質の高い生活を求める消費者の意識向上によって
水や空気にお金を払うことがあたりまえとなっています。

情報にも、同じことが起きているのかもしれません。
sponsoredに汚染された大量の無料情報と、質の高い情報とを
うまく使い分けることがあたりまえの世の中になりつつあるのかも。

有料だから質が高い、というわけではない点が怖いところではありますが。
16日にFirefox3.0 RC1がリリースされました。






予想よりも早くて喜んでいたのですが・・・
残念ながらRC1が最終版とはならない模様。

http://wiki.mozilla.org/Releases

Firefox 3.0 RC2のリリース案内が出てます。
(リリース予定日は5/19日現在でTBD)

スケジュールを見ると、テスト工程中にクリティカルなバグが出たため
現状のものをRC1としてとりあえず公開して、不具合を修正したものを
再度RC2にまとめてリリースするようですね。




5/20補足

リリース案内からいつのまにかRC2が消える。
→RC2復活。ただし"(if required)"。

開発チームも混乱しているようです。
多少時間がかかってもいいから、安定して動くブラウザを
作ってもらえる事を期待します・・・




5/30補足

先のリリース案内ページにRC2のnightly releaseが公開されました。



Releases/Firefox 3.0rc2

→「Release Tracking & Schedule」の表の
「builds done (en-US, locales, & updates) available」をクリックすると

「firefox-3.0.ja.win32.installer.exe」

を入手できます。
※例によってnightlyなので、インストールは自己責任でお願いします

正式なリリース予定日は6/5とのこと。
今度こそ最終版になるといいですね。
まず最初にこの地図を。




2つの国だけ色が付いています。さて何の地図でしょう。
エントリタイトルからピンとくる方もいるかもしれません。


DVB-T 欧州、オーストラリア、ロシア、インド、東南アジアなど
ATSC アメリカ合衆国、カナダ、メキシコ、大韓民国(一部T-DMB)
ISDB-T 日本、ブラジル
各国の地上デジタルテレビ放送規格


そう、地上デジタル放送でISDB-T方式を採用している国です。
多数の国が採用するDVB-T/ATSC方式ではなく、日本とブラジルだけが
オリジナルの方式を採用しているんですね。


独自路線を進めること自体は悪いことではありません。
規格を世界標準にすることができれば、世界の市場で有利に戦うことができます。
が・・・

権利関係により複数の標準化団体が入り乱れている
とか
・ARIB(社団法人電波産業会)
・D-PA(社団法人地上デジタル放送推進委員会)
・BPA(社団法人BSデジタル放送推進委員会)

B-CASをめぐる問題点を、まともに議論しようという雰囲気すらないとか
http://ja.wikipedia.org/wiki/B-CAS

どうにも、本気でISDB-Tを
世界標準とする気があるようには思えません。
(B-CASはISDBそのものではなく、運用方法に関わる話ですが)


結局のところ、強引に独自方式を進める理由は以下の2点かと考えます。

・国内市場の保護
非関税障壁により海外メーカーの国内市場への参入を防ぎ、
国内メーカーの利益を確保する

・受益者団体の保護
権利者によるコンテンツ保護および利用料徴収システムを強化する


何かどこかで聞いた話のような。

世界市場で完敗した携帯端末メーカー 日本独自規格を採用した郵政・NTTの戦略ミス

http://www.data-max.co.jp/2008/05/post_1182.html

日本のケータイは「世界一」といっても過言ではないだろう。
それなのに、撤退に次ぐ撤退だ。日本メーカーの携帯端末が
売れなかったのは、
企業努力が不足していたからではなかった。

理由は簡単。見た目は同じでも、日本と世界では通信構造が
まったく
異なっているためである。端的にいえば、郵政省
(現・総務省郵政事業庁)と
NTTが、世界標準に背を向けた
携帯電話の独自規格を押し付けたからである。

その結果、日本メーカーのケータイは日本でしか売れず、
世界ではまったく
売れなかったのだ。
日本の通信行政の戦略ミスが、携帯電話産業の世界市場での

敗北をもたらしたのである。

利権や思惑が絡んで独自仕様(PDC方式)を強引に推し進めていった結果、
国内メーカーは国際競争力を失い、結果としてケータイ事業のレースから
次々と脱落していきました。


携帯、京セラが中国撤退・日本勢、最大市場で姿消す
http://it.nikkei.co.jp/mobile/news/gyoukai.aspx?n=AS1C28004%2028012008

三洋電機が携帯電話事業を京セラに売却
http://www.sanyo.co.jp/koho/hypertext4/0710news-j/1011-3.html

三菱電機が携帯電話事業から撤退
http://www.mitsubishielectric.co.jp/news/2008/0303-b.htm

ソニーがドコモ向け携帯電話事業から事実上撤退
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080310AT1D0900N09032008.html


まさに今、ケータイと同じ轍を、地デジは踏もうとしています。


しかもテレビはケータイと異なり、そう頻繁に買い替えるものではありません。
おサイフやGPS付いたから買い替えよう、というものではないんですね。
「地デジ特需」による一時的な売り上げ増を賄うための設備投資を行っても
日本国内に地デジテレビが普及してしまえば、その先はもうありません。

日本の家電メーカーは、安くて良いものを世界中に輸出することによって
これまで成長を続けてきました。
しかし、独自方式の地デジテレビは世界相手に売れるものではありません。
なおかつテレビ離れにより視聴率は年々低下しており、加えて少子化による人口減で
日本市場そのものが縮小しています。
このような状況の中、10社近くの巨大企業が設備投資に見あうだけのリターンを
得られるかどうか。

欧米の主要市場で地位を失い、世界最大市場の中国では全滅。
やむなく国内に閉じこもったものの、国内のケータイ市場はすでに頭打ち。
国内にひしめきあっていた携帯電話端末メーカーの淘汰が、一気に
加速することになる。
記事中の「ケータイ」という言葉が「地デジ機器」そして「家電一般」に
置き換わる日はそう遠くないのかもしれません。

後に残るのは、赤字で競争力を失った家電メーカーと、それらのメーカーが作る
魅力の乏しい高価な製品を買わざるを得ない一般消費者。
周りが全員blu-rayを使っているのに、自分だけHD-DVDを強制されている、
そんな状況を想像してもらうと分かりやすいかと思います。


ISDB-Tを世界標準とすべく、自分のサイフだけしか眼中にない寄生虫を切り捨てて
世界で通用する、より使いやすい規格を産官学が連携して作り上げていくか。
それともISDB-Tは捨てて他方式を受け入れるか。
日本が技術立国として本気で生き残りをかけるならば、このどちらかしかありません。


アメリカ先住民の言葉に、このようなものがあるといいます。
「物事を決定し行動するとき、7代先の子孫のためになるかどうかを考える」


短期利益の追求によって長期的戦略を欠くことがないよう、
過去から学ぶ謙虚さと、将来を考える想像力を、国内家電メーカーや
受益者団体の方々には持っていてもらいたいものです。
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