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省電力タイプの新プロセッサをVIAが発表したようです。
C7以来ひさしぶりのリリース。

VIA、Atom対抗の新型CPU「Nano」を発表 (PC Online, 2008/5/29)
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/news/20080529/1003840/

VIA Nano(TM) Processor
http://www.via.com.tw/en/products/processors/nano/




【Lシリーズ

L2100 1.8GHz FSB800MHz TDP25W
L2200 1.6GHz FSB800MHz TDP17W

【Uシリーズ

U2400 1.3GHz~ FSB800MHz TDP8W
U2500 1.2GHz FSB800MHz TDP6.8W
U2300 1GHz FSB800MHz TDP5W


NanoはC7の後継として"Isaiah"のコードネームで開発されていたCPUです。
CPUクロックはC7とあまり変わりませんが、投機的アウトオブオーダー付きの
スーパースカラが新たに実装されるとのこと。
ライバルのIntel Atomはインオーダー実行で、代わりに上位モデルのみですが
HyperThreadingが搭載されています。
Nanoが対Atomでどこまで頑張れるか楽しみなところ。

そもそもC7(というかC3からの一連のVIA CPU)は、回路が複雑になる
スーパースカラやアウトオブオーダーなどの高速化手法をあえて採用せず、
キャッシュ方式や分岐予測などのアルゴリズムをチューンすることで
トランジスタ数を抑えつつ対コストのパフォーマンスを向上させるという
設計哲学でした。それがついに方針転換。
Nanoのトランジスタ数(約4,500万個) Atom(約4,700万個)とほぼ同等。
また、プロセスルールはNanoが65nm、Atomが45nm
設備投資や歩留まりを考えるとどちらがコスト的に有利かは一概には
言えませんが、Intelの45nm製造プロセスはかなり実績が積まれている点、
および大量生産されるチップのため設備投資を償却しやすい点を考えると
Nanoのコスト面での優位性はアピールしにくくなるものと思われます。

価格競争だけでなく、どれだけ性能や低消費電力を向上させて
先行するIntelやAMDに対抗していけるか。
面白いレースになってきました。


面白いといえば、PC Onlineの記事もけっこう面白い。

1次キャッシュは命令とデータがそれぞれ64KB。
1次キャッシュと排他利用の2次キャッシュを1MB備える。

排他利用って、それはExclusive Cacheのことのような・・・
同じデータが1次と2次の両方にキャッシュされないようにする仕組みのことで
キャッシュ自体が排他利用なんてことはないのでは。

また、新しいアルゴリズムの採用で浮動小数点演算を高速化。
Blu-ray Discコンテンツなどのハイビジョン映像を滑らかに再生
できるようになったという。C7では浮動小数点演算性能の低さが
弱点の1つだった。

H.264は整数演算でenc/decできたんじゃなかったっけ・・・
MPEG2なら以前からチップセットに再生支援機能が付いてたし。

謎に思ってVIAのソース記事を読んでみると
「最大40Mbpsまでの暗号化されたメディアストリームを滑らかに再生できます」
と確かに書いてある。うーん。
floatの加算・乗算がx86系の中で最も低いレイテンシで動くらしいです。が。
さすがにnanoを載せるようなPCでblu-rayを再生する場合は、周辺チップ
(チップセットとかグラフィックチップとか)で再生支援するような気がします。
blu-ray再生機などの組み込み分野では、CPUだけでデコードするような
使い方もあるのかな。
再生以外の処理が何もできなくなるような気はしますが・・・

いずれにせよ、ハイスペックPC市場が衰退しつつある今、モバイルやULCPCなどの
ライトウェイトな分野をAtomと共に盛り上げていってほしいものです。

そういえばAMDはどうなったんだろう・・・Geodeがんばれ。




5/31追記

CNETやITmediaでも記事が出ていますね。

Via、低消費電力プロセッサ「Nano」プロセッサを発表--インテル製「Atom」に対抗
(CNET, 2008/5/30)
http://japan.cnet.com/news/ent/story/0,2000056022,20374334,00.htm

VIA、Isaiah改め「Nano」を発表 (ITmedia, 2008/5/31)
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0805/31/news008.html

CNETの記事では
Nanoを設計したViaの子会社Centaur Technologyの社長
Glenn Henry氏によると「既存のC7とプラグ互換性があり」、
C7チップと同じプロセッサソケットに装着できるという。
ピン配置が変わると基板の回路設計からやりなおしになるから
どうしても新製品のリリースに時間がかかってしまう。
従来の基板を使いまわせる点は大きなメリットとなりそうです。
キチキチに詰め込んだスリムノートとかだと、電源容量やノイズ対策、
熱設計などで結局は回路の再設計になるかもだけど。

VIAは、周辺チップ開発のオープンソース化や、筐体デザインデータを公開して
開発メーカーのコスト削減を計るなどの様々な試みを進めています。

VIA、超小型ノートPCのリファレンスデザインを公開 (CNET, 2008/5/30)
http://japan.cnet.com/news/ent/story/0,2000056022,20374290,00.htm

単なる「CPUメーカー」ではなく「小型PCのプラットフォーム」を提供する企業へ。
専門技術だけでなく、総合的なソリューション(便利な言葉です)を提案できなければ
激しい競争が繰り広げられる分野では生き残っていけないのかもしれません。
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